武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科

2期生・池澤 樹 TATSUKI IKEZAWA

それぞれのデザイン

アートディレクターの池澤 樹さんは、3年生の選択授業「ブランディング・デザイン」に毎年特別講師として学生たちの作品指導をお願いしています。また、武蔵野美術大学オープンキャンパスのビジュアルデザインも手がけられています。

授業を通しての感想を教えてください。

僕らが学生の時に比べて課題の制作物のクオリティが上がっているなと思いました。それは単純にパソコンなどの技術が進化してるからではないんです。やはりアイデアを考えてそれをカタチにするということが一番大切なので、学科自体のクラフト感やデザインに対する意識が上がっている気がしました。

 

池澤さんはムサビのオープンキャンパスのデザインをご担当されていますが、デザインする上でのこだわりなどはあったのでしょうか?

こだわりは、誰もが一番最初に「何かモノづくりをやってみたい」という気にさせるようなクラフト感です。そういった意味で、初見のインパクトと、見たときに美大に可能性をもってもらったり、自分の創造性をふくらませてもらえることを大事にしました。なのでコンセプトは、「OPEN CAMPUS」にかけて「OPEN UP YOURIMAGINATION」です。


今年の武蔵野美術大学オープンキャンパスのメインビジュアルは、切り込みをひとつずつ手作業で立ち上げて画像を浮かび上がらせている。

デ情の授業やムサビでの学生生活で、現在のお仕事につながっている経験はありますか?

3年からのゼミ活動から卒業制作の経験です。それまではどちらかというと与えられた課題から何かをつくるということが多かったのですが、3年生からは自発的に世の中から課題を発見して、これをやったらおもしろいんじゃないかというアイデアを考えて、それをカタチにしてまわりの人たちに伝えるプレゼンテーションをする経験ができました。それは今の仕事でも全く同じで、課題を導きだして、その解決策をクリエイティブ、時にはマーケティング的な視点でカタチにし、クライアントや一般生活者に伝わるようにするのが今の僕の仕事です。

受験生やデ情の学生たちに一言お願いします。

学生時代のときは、とにかく好きなこと、それを将来仕事にしてみようと思うような関心ごとをみつける時間だと思います。目の前の課題や受験に必死になって先がみえないかもしれませんが、客観的に自分をみることで少し先の未来を見据えたり、世の中を引いた視点で見る事が大切だと思います。ぜひ精一杯楽しむぐらいの気持ちで頑張ってほしいです。

いけざわ・たつき
2003 年度卒業。東急エージェンシーを経て2014 年から博報堂に所属。主な仕事にサントリー「響」「白州」、ロッテ「SWEETSDAYS」、東急電鉄キャラクター「のるるん」など。東京ADC 賞、JAGDA 新人賞、カンヌ広告祭金賞など受賞多数。

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