武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科

教授

佐藤 淳一Junichi Sato

1963年生まれ。東北大学工学部・武蔵野美術大学短期大学部卒業。専門はマルチメディアとフォトグラフィ。Webを基盤とする写真表現の実践的な研究を続けている。95年より個展、グループ展多数。主な著書:『ドボク・サミット』(共著、2009、武蔵野美術大学出版局)『カワウソ』(2010、東京書籍)

Q. 研究テーマと分野は何ですか?
A. ネットワークメディア研究 / photography as web-based art

Q. その内容は?
A. ウェブという非物質のメディア上で展開される、主に写真表現の実践的な研究。ウェブ写真は印画紙とモニタ画面という表層的な物理メディアの違いのみならず、作品の形態としてもプリント指向からプロジェクト指向という変化をもたらす。物質としての作品(写真=プリント)を作り込むのでなく、ウエブサイトという時間軸上の存在にイメージが断続的に布置されていく事態を重視する。このイメージ生成の流れを作品ととらえること。それこそが情報の流動性の著しく高いこの時代を生きて作家活動を行うことの証左となろう。過去の表現スタイルと評価基準への盲目的な追従や伝統の継承を行うのでなく、時代に対峙する新たなスタイルの模索と実験に興味がある。

Q. 教授の視点から見る「デザイン情報学科・学生」とは?
A. デザイン系学科であるからといって、必ずしもデザインをすることだけが求められているわけではないと思っている。問題発見能力や論理性、戦略性など、一般にデザイン的なプロセスとされている頭脳スキルは、実は新しい分野で戦うアーティストにも強く必要とされるものだ。
自分はいったい何がやりたいのか、というレベルまで深く掘り下げて思考し、すぐには評価されなくとも根源的な問題意識の下に自分が納得できる作品を作って行こう、という姿勢の学生がいるのは頼もしい。末恐ろしい学科だと思う。

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