武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科

学科紹介

点の発見から大きな物語へ

改めて言うまでもなく、デザインの対象はモノだけでなくイベントや社会の仕組みなどのコトにも及んでいます。急速な情報化によって国際的な相互依存と対立が同時進行するなか、経済社会でも統合と分業という相反するベクトルの扱いが問題となっています。より良い社会をつくろうとする思いと、生み出されるモノ・コトを上手につなぐための創造的な手段として、デザインには大きな期待が寄せられています。そこでデザイン情報学では、「デザイン」と「情報学」という2つの角度から創造の秘密にせまり、デザインの可能性を広げます。

デザインされたモノ・コトを一つの全体として考えた場合、それは多くの部分から成り立っています。そして、部分がうまく連係し合って初めて、全体としての機能が実現されます。たとえば文字と写真、あるいはイラストなど異なる表現をうまく組み合わせ、ひとつの広告表現として果たすべき役割を実現する。これはデザイン成果のひとつです。

一方、全体をより良いものにするには、どのような部分を集めるかが問題です。であれば、世界をよく観て、新しい価値の始点を見つけなければなりません。そのためにはこれまでヒトがどのように世界を見てきたかを知ったうえで、今度は自分でどのように新しい部分を取り出すかを決めなければなりません。ここに情報学活躍の場があります。さらにデザイン情報学は、全体を単なる部分の寄せ集めに終わらせません。全体を部分の総和以上のものにするために、その関心は目標に向けた最適な統合のしかたへと向けられます。モノやコトのデザインを超えて、より大きな全体である環境の中で異なる立場の人たちとどのようにコラボレーション(協調)を達成するか。確実に未来に大きく影響する、より重要なデザインテーマです。

このように創造的なデザイン提案を行うためには、新たな分類と統合の考え方が必要です。そこで私たちは、従来のカテゴリーにとらわれず、デザインが直面している状況を4つの系に分けてその入り口を示すことにしました。

ビジュアル・コミュニケーション系

まず、多くの人が「デザイン」というと思い浮かべるグラフィックデザインは、ビジュアル・コミュニケーション系という領域で扱われます。ここでは「見せる」ために必要な「見る」ことの基本を理解し、新しい発見をカタチに仕上げます。

web・デジタル技術系

現在、最もホットなグラフィック領域と言われるWeb・デジタル系では、デジタル技術をベースにこれまでの視聴覚表現を巧みに組み替えながら新しい世界を探求します。

商品企画・インターフェース系

ゲームや情報機器、公共システムなどは商品・インターフェース系の一部と位置づけられます。「ヒトは記号を通して世界とつながっている」という考え方をベースに、ヒトと記号環境をスムーズにつなぐ秘密を仕組みに変えていきます。

映像メディア・表現系

広告やコンテンツ、インスタレーションなどを中心とする映像メディア・表現系では、あらゆるイベントを支える「時間」を中心に表現と体験の関係をとらえ、コンテンツとメディアの両面からデザインの可能性に挑みます。

 

4つの入り口からデザイン探求を経験する学生は、いくつものプランを描き、試行錯誤を繰り返した後、最終的には学生自らが新しい表現領域を創り出して行くように指導されます。すでにあるアートやデザインという枠組みを超え、現実と柔らかい感性で対話しながら未来の大きな物語をつくる、それがデザイン情報学科の目標なのです。

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