武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科

主任教授

白石 学Manabu Shiraishi

1971年生まれ。武蔵野美術大学大学院修了(造形修士)。九州芸術工科大学大学院博士後期課程修了(芸術工学博士)。東西大學校(韓国)デジタルデザイン学部助教授を経て、現在に至る。デジタルメディアコンテンツ制作、インタラクションデザイン、デザイン基礎教育が主な研究分野。主な著書『かたち・色・レイアウト 手で学ぶデザインリテラシー(武蔵野美術大学出版局,2016,編著)』、『かたち・機能のデザイン事典(丸善,2011,共著)』

Q. 研究テーマと分野は何ですか?
A. 現在は主にインタラクションデザインの教育方法です。

Q. その内容は?
A. インタラクションデザインは、ヒトとモノとの相互関係をデザインすることです。例えば、ユーザーがスマートフォンでメールを送ったり写真を閲覧するとき、画面をタッチしたりスワイプして操作を進めていくことを思い浮かべているとわかりやすいと思います。操作画面をデザインするときには、直感的な操作を誘う画面作りを心がけながら、反応のわかりやすさや心地よい操作感まで考えて設計しています。また、最近ではユーザーが能動的に働きかけることによって成立するインタラクションだけでなく、天候や交通情報など環境をシステム(コンピュータ)が自動的に読み取って機能が働き始めるインタラクションもあります。このような日常的に生活に浸透しているインタラクティブシステムをアートやデザインの視点から提案できるようになるためには、グラフィックデザインの技法だけでなく、コンピュータプログラムや電子工学的な理解も必要とされます。絵画・イラストや映画・アニメーションに関心を持って入学してきた美大生にわかりやすく工学的な知識を習得してもらうためにどのような授業内容やカリキュラム構成が適切か日々考えながら、悪戦苦闘しています。また、インタラクションデザインは、モノの設計の知識だけでなく、ヒトの感覚器官や認知の構造を理解することも重要で知覚心理学の研究も行っています。

Q. 教授の視点から見る「デザイン情報学科・学生」とは?
A. デザイン情報学科の学生は、学年が上がるごとに授業を受け課題をこなす姿勢から、自ら課題を設定して研究する姿勢になり、教員と学生の関係が「教える−教わる」関係から、「共に学ぶ」関係に変化していきます。とくにインタラクションデザインの分野は、常に新しいソフトウェアやデバイスが発表され、それに対応していかなければいけないので、ときには「教える−教わる」関係が逆転することもあります。また、デザイン情報学科は、絵が得意で入学してくる学生だけでなく、数学が得意な学生や言葉で説明することが得意な学生もいるので、教員にとっても刺激的です。

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