2020年
-ヨーロッパからアジア、中世から現代まで-
佐伯 詩央音[森山ゼミ]
絵を見て頭の中で音楽が流れたこと、音楽を聴いて風景が浮かんだことはありますか?私は「芸術」という言葉にまとめられる音楽と美術の関係性について双方向から考え、書籍を編集、制作しました。上巻では美術作品に登場する楽器や音楽を具体的に紹介しながら、どんな音と音楽が絵画の中に流れているのか、下巻では音楽を表現した画家や絵画から霊感を得た音楽家などを紹介し、芸術家たちがどのようにそれぞれの表現へ昇華させたのかをまとめました。それぞれの作品から音楽が聴こえたり、絵画が浮かんだら幸いです。
壮大なテーマを西欧、アジアにわたってやり切った。「眼聴耳視」(げんちょうじし)という熟語があるが、『観る耳・聴く眼』(窪田般弥著)には「お前が世界を見たいなら 眼をお閉じ」というフランスの作家の引用もあることから、漢字世界だけのものではないようだ。膨大なリサーチ、編集、レイアウト、装本ともに、プロの編集者並の力量を示していると言いたい。視覚と聴覚の共感覚を隠されたテーマとする「眼聴耳視」の体現である。(森山 明子)