2023年
佐藤 凪咲 [佐藤ゼミ]
排泄はどんな人間でもしなくてはならないものである。だからこそ、トイレには様々な人が訪れる。トイレにいるのは短い時間だがその短い時間を過ごす空間にはその国らしさが滲み出ていると私は感じている。卒業制作では世界各地のトイレを撮影してまわった。本作品から、その国の国民性や清潔感を感じてもらい、トイレの魅力に気づいて頂ければ幸いです。この作品を機に皆様のトイレ時間が少しでも楽しいものとなりますように。
国境を越える自由な移動が止められた3年間を過ごした末に、作者は大学最後の1年間を異文化との出会いの旅に費やした。素朴な視線でとらえられた膨大な数のトイレ写真からは、全ての人に否応なく関係するこの空間と器具の形の差異が、言語や宗教、服飾や料理などとともに文化を分ける指標のひとつであることが見えてくる。分類や解説のような理性的な取りまとめなど、旅を終えた後にすればよい。なにしろ今はまだ旅の途中なのだ。(佐藤淳一)