2019年
-漫画制作におけるアナログ・デジタル作画について-
村松 恵(紅雨 ぐみ)[森山ゼミ]
現在漫画の作画方法は大きく分けて「アナログ作画」「アナログ+デジタル作画」「デジタル作画」の3種があり、自身が漫画を描く際に採用しているのはアナログとデジタルを組み合わせた作画だ。それはどちらにおいてもそれぞれメリット・デメリットがあると感じているためである。3種の作画方法を使い同じ漫画を3通り描き、制作行程・原画・印刷などより比較しプリントメディア媒体における自分の作画に合った最適解を見極める。
少女漫画の世界ですでに実績のある村松恵は、自身の発表作品の全ページについて、アナログ、アナログ+デジタル、デジタルによる作画の違いを検証した。違いは一目瞭然、併せて制作した報告書では各ページの所要時間まで確認できる。自作の漫画作品を構成要素ごとに分析した3年次の研究に続く労作である。これら創作と手法への確かな眼差しの獲得は、今後の作家生活に期待を寄せるに十分な成果であり、これぞ美術大学の卒業研究と心からの拍手を贈りたい。(森山 明子)