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20170704
このカラフルな立方体、ただの紙工作ではありません。
「カラーキューブ」と言います。「情報処理I」という授業の課題です。
実はこれ、デ情生は名前を聞くだけで震え上がり、卒業しても虹色のものがすべてこいつに見えてきてしまうという恐ろしい代物。
「情報処理I」は、デ情の一年生が21世紀のデザイナーに必要不可欠な基礎知識を身に着ける必修授業です。
内容は多岐にわたっており、デザイン用ソフトの使い方から、ウェブサイトの制作、画像加工、ネットワークの仕組みの理解まで様々。上の写真は、その最後を締めくくる麻紐を使った怪しい儀式の様子です(儀式の詳細はこちらから)
カラーキューブの課題では、一から展開図のデータを作り、出力をして組み立てるところまでが求められます。ただし、出すだけでは終わらないのがこの課題の恐ろしいところ。
なんと、担当助手のチェックを受け、基準を満たす超ビューティフルなものでないと提出を許されないのです!
審査の目は大変厳しく、ひと筋縄では受け取ってもらえません。「ここ角が潰れてるぞ〜」「まっすぐに切れていないぞ〜」「のりしろから1mmずれてるぞ〜」などなど、容赦ない指摘が一年生に降り注ぎます。各々切り方や貼り合わせ方を工夫して挑みますが、例年鉄板やコンクリを内側に仕込むなどトリッキーな技で乗り切ろうとするツワモノも。(もちろん即バレます。)
グループワーク中の一年生の机の上には、惜しくも敗れていったカラーキューブたちが積まれていきます。日を追うごとに高くなるカラフルな壁は、デ情の初夏の風物詩!この壁を乗り越え、合格した学生たちの成長はすさまじく、10個、20個、50個とトライを重ねるうちに、自然と寸分の狂いのない匠のカッターさばきを身につけてしまうのです。なんということでしょう!この技術が、4年間の課題制作を底から支えてくれるのです。
出し終わった直後は「ええい、もう二度と作らんぞ!!!見たくもない!!!目がチカチカするっ!!!」と叫ぶデ情生。
時は流れて4年の3月。卒業間際、ロッカーの奥を整理すると、なぜか捨てるに捨てられなかったカラーキューブが出てきて、「あの頃の俺、頑張ってたなぁ…」と懐かしさに浸ったり。
そして、デ情を出てからも、妙にカラフルなものを見かけると「うっ…提出日が!」と軽いめまいとともに色んなことが思い出されるほどに、深く記憶に刻まれる課題なのでした。