CURRICULUM

コミュニケーション創発系

「言われてみればそうだ」「どうして自分は気づかなかったんだろう... 」世界はそんな秘密にあふれています。それらに気づくた めの装置をデザインするのがコミュニケーション創発系のアプローチです。動作の根本原理はインタラクション=情報のキャッチボール。伝えるだけでなく、やり取りの間に気づくことがあるというコラボレーションの考え方です。様々なメディア実験を通じて、スマホやパソコンの情報表示画面のデザインやメディアアートなど、見る側・操作する側の思考でものづくりをするための授業を開設しています。

白石 学 教授

Q&A

Q.ご自身の専門分野を教えてください。

視覚・聴覚・触覚を中心とした知覚心理学をデザインの視点から研究しています。毎日当たり前のように見て触れているスマホの画面にも、巧みに設計されたユーザインタフェースには、知覚心理学を応用されています。授業では、デジタルメディアコンテンツ制作、インタラクションデザイン、デザイン基礎教育が主な科目でどの授業にも知覚心理学の要素が含まれています。

Q.コミュニケーション創発系の授業で、ご担当の授業について教えてください。

インタラクションデザインの授業を担当していて、情報を「みる」「きく」「さわる」ことについて深掘りしながら、作品制作を課題としています。体験型メディアアート作品制作にもつながる内容になっています。ちょっと敷居が高く感じるコンピュータプログラムや電子工作も作品制作に必要不可欠な要素だと、理数系が苦手な学生もいつの間にかできるようになっていてうれしかったりします。

Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。

ゲーム、映画、イラスト、アニメーションなどが大好きで美大を目指すようになった学生が多いのですが、大学に入学したら、卒業までに大好きな作品を創り出す立場に立っていろいろなモノを見て欲しいなぁと願っています。授業の課題に取り組むときに自分の関心・興味から考えてみると、たいへんな作業も楽しく、完成して発表した時の達成感がやみつきになるはずです(笑)。

今泉 洋 教授

Q&A

Q.ご自身の専門分野を教えてください。

「デザイン情報学」は分析と統合を繰り返しながらモノづくり、コト興しを行うためのフレームです。デジタル技術の普及によって、デザインのいろんなレベルで積極的な「remix」が行われるようになってきました。要素や構造はもちろん、身の回りの気づきからデザイン要素を見出し、それをチームで共有し、新しい要素の出会いをモノゴトとしてまとめあげる。こうした協調的で創造的なデザインワークの試みに注目しています。

Q.(コミュニケーション創発系)の授業で、ご担当の授業について教えてください。

「デザイン情報学的方法の実践」では、モノゴトの成り立ちとその要素間の関係を図を使って分析し、共有します。この「図化考察」という手法では、日常見慣れたモノたちの中に取り上げるべき美の要素を見つけること、図と文字の組み合わせで相互の関係を感覚的にも受け入れやすい表現にまとめてみることで、自分が当たり前だと思っていたモノゴトの捉え方や考え方、発想の枠組みを乗り越えることを目標としています。

Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。

誰にでも好きなモノがあるでしょう。であれば、まずはそれとつながっている多くのモノゴトを見て、感じ、比べてみることをすすめます。しかし本当に大事なのは、好き嫌いレベルに留まらず、見かけに隠れて自分を惹きつけている「何か」について考えること、それを言葉にして他の人と共有してみること。これが「センス・ビジョン・コラボレーション」からできている「デザイン」という協調的なプロセスの出発点です。