CURRICULUM

デジタル技術

芸術は感覚の技術であり、論理的世界とは相入れないと言われています。では美術大学にとってデジタルとはなんでしょう?ア ナログ世界を一旦デジタル化して扱うことによって、私たちの世界が大きく広がったことは間違いありません。そしてデジタル世界では今、感覚という非安定な論理を操る美的な演出=デジタルディレクション能力が求められています。私たちの暮らす世界を扱う以上、デジタル表現を構成している考え方の根本を知ることは、デザインという統合行為を行う上で必要不可欠です。

高山 穣 准教授

Q&A

Q.ご自身の専門分野を教えてください。

専門はCG(コンピュータ・グラフィックス)です。特に数理造形といって、数式やプログラミングで画像・映像を生成する技術の研究に力を入れています。同技術はCG業界においてはプロシージャルアニメーションと呼ばれて映画・ゲームなどで欠かせない存在となっており、今後のデジタルコンテンツ制作の重要技術になると見込まれています。このような状況を受けてデザイン情報学科ではCG・ゲーム系科目の充実化を図っています。

Q.(デジタル技術系)の授業で、ご担当の授業について教えてください。

主にCGを中心として、アーティスティックな表現から技術的要素まで幅広く指導する点を特徴としています。例えば「CG論」という講義科目では、技術解説はもちろん、歴史的なCG作品の視聴を通じてCG表現の意義を考える内容になっています。また、「造形アルゴリズム」という演習科目では、プログラミングを用いてアーティスティックな表現を追求する授業になっており、毎年のように学外の公募展での受賞者を輩出しています。

Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。

今日、CGを学べる教育機関は数多くありますが、単なるソフトウェアの操作指導に終始している学校も少なくありません。一方で技術は進化しており、誰でも簡単にある程度見栄えのする作品制作ができる時代になりました。このような状況下で新しい表現を開拓するには論理的思考力と芸術的感性の両方が必要と言われています。デザイン情報学科ではこの両方を鍛えるカリキュラムをバランスよく提供することを心がけています。

井上 尚司 准教授

Q&A

Q.ご自身の専門分野を教えてください。

インターネット、なんとかネットワーク、ネットワークなんとか、のような分野が専門です。あと、オペレーティングシステムやシステムプログラムも、です。ネットを使ってサービスを提供したり、利用したりするときの、仕組み、インタフェース、デザインなどが対象です。新しいサービスをデザインする時、どんな仕組みを、どこで提供すれば実現できるか、どういう方法を使えばいいかなどを検討し、実現することをサポートします。

Q.(デジタル技術系)の授業で、ご担当の授業について教えてください。

インターネット、WEBの存在は今や欠かせないものとなっていますが、そこではいろいろなプログラミング技術が使われています。サーバ、クライアントそれぞれで使われている技術について、学習し、理解することを目的としているのが「WEBプログラミング」という授業です。「データベース表現」という授業では、WEBの裏側で動いているデータベースシステムに関して学習し、実際にデータベースをWEBから利用する演習を行います。

Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。

デザイン情報学科では、多種多様な分野の授業を用意し、それに応じた教員がサポートする体制を取っています。いわゆるコース制を採用せず、学生個々人が、自ら授業を選択して履修することを基本としています。そのため、自分が何をしたいか、どんな知識を得たいのかを考え、自ら積極的に授業を選択することが求められます。その折々で、教員を使ってもらえれば、と思っています。