メディア表現系
ポスター、パッケージ、漫画、アニメ、映像、PV...プリントメディアから映像、そしてVRまで、すべてのコンテンツ制作の基本は図像と文字と音によって、視覚を中心とする体験を統合的に演出することです。多くのボキャブラリーと視覚言語の関係を理解し、紙からデジタルベースまで多様なメディアに求められる最適なアプローチをつきつめる。メディア表現系では、なじみ深いグラフィックスの基礎から視覚表現の未来へ、ビジュアルが切り開くコンテンツ体験の魅力と秘密を探求します。
佐藤 淳一 教授
Q.メディア表現系の授業で、ご担当の授業について教えてください。
専門は写真表現ですが、リサーチエンタテインメントという考え方によるものです。この20年間で目立つものとしては、たとえば「水門」や「カワウソ」というテーマに取り組んでいました。その活動の間、実は撮影だけでなく、表に出ないところでたくさんの調査・研究をしているわけです。その成果を論文のような形でまとめるのではなく、あくまで誰もが見て楽しめる作品に仕立てる。その手法について試行錯誤してきました。
Q.メディア表現系の授業で、ご担当の授業について教えてください。
まず写真がデジタル化して以来、見えにくくなった「写真装置の原理」に気づくための演習です。その先に、写真を作品として成立させるにはどうするかという授業を置いています。ゼミ形式の授業で、個々のテーマの見つけ方や、展示や写真集を構成する方法についての演習が続き、それが卒業制作へとつながります。写真作家を養成するのではなく、写真家の考え方や手法がデジタル化した今の社会の中で有効であることを伝えています。
Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。
10代の頃に自ら興味を持って取り組んだことのインプットは一生ものです。しかしみなさんが今、最重要と考えている目標は仮のものである可能性が高い。行き着く先は変わるかもしれない。それでも今はやれることを全力でやるしかない。そういうキビしい段階にあるみなさんに、デザイン情報学科は見た目よりかなり奥がある、深さを提供できると思います。ただし深さは向こうからやってきません。自分の足で迷い込んでください。
森山 明子 教授
Q.ご自身の専門分野を教えてください。
編集が専門であって、デザインジャーナリズムを手法とする造形作家の評伝や日本デザイン史関連の著述、およびそうした分野の監修・編集本を担当してきました。テーマは中川幸夫(前衛いけ花)、石元泰博(写真)、新井淳一(テキスタイル)、遠藤彰子(画家)、Gマーク大全、カラー版日本デザイン史などです。
Q.(メディア表現系)の授業で、ご担当の授業について教えてください。
多様なメディア表現のうち、主にプリントメディア(印刷物)に結実する技法の習得を目指す科目を担当しています。それはグラフィックデザインの一部としてのエディトリアルデザインにとどまらず、企画、取材、執筆、ダイヤグラムや画像作成を含む編集と編集デザイン全体のことです。科目名としては「プリントメディア編集基礎」、「プリントメディア研究I、II、III」があります。
Q.デザイン情報学科を目指す学生に、ひとことお願いします。
複雑さを増す現代デザインの振る舞いを理解するには文化、産業、政治、倫理といった観点からの学習が必要です。そのためには国内外のデザイナー、モノ、企業、社会、国家に至るさまざまな次元でデザインを見つめ、デザインの全体像を把握することが望まれます。多様なデザイン活動が歴史上どう生まれ、その後にどのような意味と影響力を持ったかを理解して、みずからの制作や研究に臨んでほしいと思います。
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