授業について Curriculum 授業について Curriculum

デ情で開講している授業は大きく【デザイン情報学基礎】【メディア表現系】【コミュニケーション創発系】【デジタル技術系】の4つに分けられます。
デ情のカリキュラムの特徴でもあるこのシステムは、いわゆる「〇〇コース」のように、ある領域以外の授業は受けられないというものではなく、系統を横断して授業を選択することが可能で、自分がやりたいことを実現するために必要な知識・技術を自由に学修することができます。

4つの授業系統

デザイン情報学基礎

デザインを情報学の視点で見ていくために必要な基礎知識と技術を実際のデザインワークを通して学びます。

メディア表現系

社会現象をグラフィカルに表現することからマンガや映画の手法まで、メディアの適性に合わせた表現力を身につけます。

コミュニケーション創発系

UI/UXデザインやメディアアートなど、見る・操作する側とされる側のコミュニケーションを意識したものづくりに挑みます。

デジタル技術系

Webデザイン、3DCG表現、ゲーム制作等に必要なデジタル技術を学びます。ソフトウェアの使い方だけでなく、情報処理の基礎もプログラミング演習を通じて習得することができます。

授業紹介

例えば......
メディア表現系の授業『イラストレーション』でキャラクターをデザインし、コミュニケーション創発系の授業『サウンドスペース研究』で音楽制作の基礎を学び、デジタル技術系の授業『ゲームデザイン』で実装の方法を学ぶ、なんてことをすれば1人でゲームを制作することも可能になります。
オールドメディアから最新のテクノロジーまで、広く深く学ぶことができるのがデ情の特徴です。

デザイン情報学基礎

情報処理I

仕組みを知ることは応用力を身につけること。わずかな力で大きな成果を得るには、テコの力が役立ちます。コンピュータの仕組みを理解することは、この時代のテコの支点を見つけることなのです。授業でまず取り組むのは、コンピュータを使う際の基本的な約束事、上手な使い方、そして魅力的なグラフィックス表現を行うためのアプリケーションソフトのマスターです。これらをテコに、世の中から「かたち」を見つけ、その「意味」の関係をウェブとして表す、いかにもデザイン情報学的な授業です。

情報処理II

本科目ではプログラミングの基礎を学びます。プログラミング言語はもはや特別な存在ではなく、デジタル化社会の共通言語とも言える存在になりつつあります。当然、それはデザイナーにとっても無縁ではなく、これからの時代のデザインにおいてプログラミング能力が求められる場面はますます多くなっていくはずです。そこで本科目では、プログラミング言語を初歩から学びつつ、将来的に高度な表現の開拓につなげるための足がかりとなるよう、画像や映像などを扱う様々なプログラミングの表現技法について学んでいきます。

ポートフォリオ制作

自分の作品を通じて自分自身の活動や考え方を説明するもっとも有効な手段がポートフォリオです。クリエイティブ分野の就職活動は、まずはポートフォリオを制作することから始めると言っても過言ではありません。この授業では、大学に入学してからの課題成果および自主的な創作活動等をペーパーメディアとWebメディアのポートフォリオにまとめ、他者にプレゼンテーションするための表現技法および編集技術を習得することを目指しています。

卒業研究・卒業制作

4年生は「卒業研究・卒業制作」が中心です。1年間を通じてひとつのゼミに所属し、4年間の集大成としての作品を制作します。ゼミは前期の最初から始まり、毎週行われます。デザイン情報学科では、研究の過程も大切にしていて、最終的に作品だけでなく、プロセスドキュメントの提出も義務付けています。学生は、将来進む就職先や進学先を踏まえ、専門性を追求することが求められています。

メディア表現系

映像基礎

この授業では基本的な機器操作やカメラワーク、照明や画面の構成、編集の基礎的テクニックなどを、参考作品を見たり実際の作業を通じて理解します。またテーマを決め、情報を集め、撮影し、編集するという映像制作に必要な流れを体験します。計画的に映像をつくるのは複雑で面倒な作業です。とても1人ですべてをこなすことはできません。チームで取り組むための作業分担やスケジュール管理を学習することは、その後の作品制作でもおおいに役立つこと、間違いありません。

アートディレクション

アートディレクションとは、書籍・広告・Webサイト・パッケージなどのビジュアル表現を適切にコントロールする営みです。近年では美術館の展覧会やイベント開催などにも必要とされる能力です。作品を熟知するとともにチームを率いてプロジェクトを進める総合力も求められるため、現場を熟知した特別講師の講義も予定します。印刷物に始まりプロジェクトに及ぶ、そんな現場感覚を養う演習です。

音響文化研究

色やカタチほど目立たないかもしれませんが、音も社会のなかで重要な役割を果たしています。むしろ、音で世の中をとらえるようになると、まったく違ったとても面白い空間が見えてきます。音の原理や技術、心理的な働き、歴史を学びながら、目には見えない音の世界を再発見します。同時に音を出す道具としての楽器や音のオブジェを研究し、音を使って世界とかかわるための音の道具、「音具」を制作します。

アニメーション制作

アニメーションの制作は総合芸術的で作画力・演技力・企画力など様々な技能が要求されるとともに、各工程は複雑かつ多岐にわたり、計画的な進行管理が必要とされます。本科目ではこれらのプロセスを学ぶためにグループワークで取り組んでいきます。実際に短編アニメーションを企画・制作し、その体験を通じて魅力的なコンテンツに必要なストーリーやキャラクターの設計、演出の方法などの様々な技術を学んでいきます。

イラストレーション

イラストレーションとは、情報を人に伝えるための図像です。ある媒体上にイラストレーションが存在すると、そこに置かれた言葉を補完するばかりか、その言葉自体の持つ意味に多重性をもたらすことができます。イラストレーションの活躍する場や定義は今や多岐にわたり、この授業ではイラストレーションの実制作を通して図像によるビジュアルコミュニケーションの可能性を探ります。

パッケージデザイン

パッケージは商品を包み保護するためのものですが、商品の性質やメッセージを伝えるという重要な役割を持っています。視覚だけでなく触覚的な情報も含め、消費者の五感を刺激する工夫が欠かせません。この演習では、まず紙素材を中心とした造形トレーニングで素材の特性を考えます。実際の商品の調査・分析から商品特性やブランドイメージなどを明らかにし、素材を活かしたペーパーモックアップを制作、デザイン展開を行います。

コミュニケーション創発系

インタラクションデザイン基礎

デザインの対象というと、まずグラフィックスやプロダクトといった、見たり、触れたりすることができるものが頭に浮かびます。しかし社会では、こうした個々のデザインジャンルをカバーして、それらを横断的かつ総合的に扱うことのできるデザインの考え方が新たに注目されています。そのひとつがインタラクションデザインです。この基礎クラスではヒトとモノの関係、ヒトとヒトの関係など、時間とともに変化する情況やルール、段取りなどがデザインの対象となることを理解し、実制作に取り組みます。

映像メディア研究I(3年大石プレゼミ)

視覚情報を表示する媒体は、平面的なディスプレイ以外にも、物理空間や立体オブジェクトへのプロジェクション、ヘッドマウントディスプレイのようなVRデバイス、現実空間とCGの合成によるARなど多岐にわたります。 この授業では、様々な視覚情報の表示媒体と、その応用例の紹介、特性ならびに使用する上での具体的な技術についての解説を行います。課題として授業で紹介する表示媒体を使った作品制作を実際に試み、視覚メディアを効果的、創造的に活用するための能力を養うことを目指します。

インタラクションデザイン

ヒトの基本的な行動原理は、視る・聴く・触る。行為から外環境を知覚し、認識し、反応し、次の行動へつなげていくことだと言えます。そのことは、機械で自動的な判断・動作を設計するときも同様です。この授業では、ヒトとモノとのインタラクションに着目し、相互間で成立する知覚・認識・反応の過程を踏まえ、実験的作品制作を行うことを目標とし、電子工作やセンサーを表現手段に取り入れたインタラクティブコンテンツを制作しています。

オーディオ・ビジュアルアート

視覚と聴覚が意識と生理に与える刺激、認識、感情の感応といった知覚の相互作用は、マルチモーダルなデザインを行う上で欠かせない要素です。この授業では、視覚理論、音楽理論、信号処理などの音声解析技術の解説を交え、手続き的にビジュアルを生成する方法を解説します。創作のための理論を理解した上で、楽曲の魅力を最大限引き出すような創造的なオーディオ・ビジュアル作品の制作を通し、視覚、聴覚に対し連動的に訴えかけるコンテンツ制作能力を獲得することを目標とします。

デザインの解剖

佐藤卓氏が取り組んでこられた「デザインの解剖」プロジェクトでは、誰もが知っている商品の企画から販売までの流れを観察していくなかで、デザインの秘密が明かされます。商品の中に数多くの情報が編み込まれ、その魅力が生まれているというモノづくりの本質を発見する授業です。授業の成果は展示公開、製本され、さまざまな業界からも注目されています。

サウンドスペース研究

ステレオ装置が登場して初めて、左右の広がりの中に音をレイアウトすることが表現の一つになりましたが、音の広がりを空間的に自由にコントロールできるようになったのはデジタル技術が発達してからのことです。この授業ではコンピュータで音を360°球体の仮想空間として構築し、その音響空間の中で音の位置と動きをコントロールして、ダイナミックに変化する音の彫刻づくりに挑戦します。

CM映像制作

日本語的に言う「CM映像」の分析研究と制作プランニングがセットになった演習です。TVで放映される公共広告を参考に、テーマの選択、コピーライティング、企画書、シナリオ、絵コンテ作成など具体的なCM映像制作の手順を学びます。制作された映像作品は、作品講評、ブラッシュアップのアドバイス等を受け、学内選考を通過した作品はACジャパン学生賞のコンペティションに応募されます。

クオリティレビュー

これまでのデザインが表現領域ごとに技を競うスポーツだとすると、これからのデザインは総合格闘技です。あらゆるメディアを使いこなし、自らの個性を社会に認めさせていかなければなりません。この授業では、これからデザインビジネスの世界に出ていく新人として、ポートフォリオやWebなどのメディアを自分自身のプロモーションにどう活かしていくかを探りながら、創造的なビジネス能力を鍛えていきます。

デジタル技術系

Webデザイン基礎

この授業では変化し続けるインターネット上のデザインや広告を具体的な事例を通して基礎的な考え方を学びます。 近年ではソーシャルメディアと連動したWeb広告も多く、それらをユーザーとしてではなく作り手の立場から解析します。その後、グループでの実践演習として「アイデアブレスト→制作→プレゼンテーション」という流れを何度か繰り返しながら、Webサイト、アプリ、映像、ポスター、グッズなど、各メディアを総合的に繋げるデジタルプロモーションを広い視野で俯瞰的に考えていきます。

3DCG基礎

一昔前では特別な存在であった3DCGはいまや当たり前の表現手段となり、日常生活で目にしない日はほとんどありません。しかしその技術は日々急速に進化しており、自己流で学習するには限界があります。本科目ではこのような3DCGについて、業界最先端の技術やワークフローを交えて効率的に学習していきます。また、一つの3DCGソフトウェアだけを学ぶのではなく、複数のソフトウェアを横断的に使用して、様々な用途に応用できる実践的な力を身につけていきます。

ネットワーク研究Ⅰ(3年井上プレゼミ)

コンピュータやインターネットが普及したことで、身の回りの機械や装置が様変わりしてきています。今や外出先から自宅の中の電化機器を操作できるのは当たり前で、「IoT」と呼ばれるインターネットに接続された装置が増えています。この科目では、離れた場所にある複数のコンピュータを使って動作するような装置やインスタレーションの方法を学びつつ、IoTやネットワークを使った簡単な作品を作れるような技術を学びます。

ゲームデザイン

近年のゲームは単なる「遊び」としての枠を超えつつあり、ゲーミフィケーションやeスポーツという言葉も話題となるなど、その環境は変化しています。ゲームは今後も総合芸術型のコンテンツとして我々の生活に密接に関わっていく可能性が高く、デザイナーが果たす役割も大きくなるでしょう。このような観点から本科目ではゲームエンジンの基本操作に親しみ、独自のゲームコンテンツを設計する能力を身に付けます。